2007/11/30
健康食品で障害 7600万円賠償命令、名古屋地裁
<健康食品で障害 7600万円賠償命令、名古屋地裁>東南アジア原産のトウダイグサ科の植物アマメシバを粉末にした“健康食品”を食べ、呼吸器に障害が残ったとして、名古屋市の70代と50代の母娘が製造物責任法(PL法)などに基づき、商品の製造会社「アダプトゲン製薬」(岐阜県)などに計約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の内田計一裁判長は30日、請求を一部認め、製造会社などに計約7600万円の支払いを命じた。
賠償を命じられたのはほかに、当時の販売会社や記事で効用を説明した医学博士。雑誌の記事で商品を紹介した「主婦の友社」(東京)への請求は棄却された。
原告側弁護士によると、健康食品の被害でPL法に基づく製造責任をメーカー側に問う訴訟の判決は初めてという。アマメシバの健康被害訴訟は鹿児島地裁でも係争中。
判決などによると、母娘は雑誌の平成13年9月号の特集記事を読み、高栄養食品とうたった商品を購入。同12月までに母は計約300グラム、娘は計約400グラムを摂取した。
2人は14年1月から体調を崩し、気管支の先端部が詰まる閉塞性細(へいそくせいさい)気管支炎と診断され、呼吸器機能障害が残った。
製造会社などは「発症との因果関係はない」などと反論していた。
アマメシバは海外で健康被害の事例があり、厚生労働省は15年9月、食品衛生法に基づき、この商品などを販売禁止にした。
【2007年11月30日 産経新聞】